首位徳島と2位福岡が勝ち点52で並び、その下に勝ち点6差で並ぶ3位北九州と4位長崎。その3位と4位の直接対決となった九州ダービー。勝ち点差を考えると3ポイントを積み上げないと今後が苦しくなるため、激戦必至のカードとなりました。
2020年10月17日
ギラヴァンツ北九州 1-1 V・ファーレン長崎
76分:ディサロ 燦シルヴァーノ
89分:カイオ セザール
北九州vs長崎 ゲーム展開
アウェイ長崎は2節以来の3バックで臨み、守備時は強固なブロックを構築。
前半は北九州が攻勢に出て長崎は守備からのカウンターを狙う展開となりました。
13分には北九州の町野選手がダブルタッチでカイオ選手を抜き去り決定機。直後には長崎の富樫選手がワンタッチでディフェンスを抜け出し決定機。
両者の決定機はいずれもシュートがゴールキーパー正面となりました。
長崎は受ける展開ながら鋭いカウンターで北九州のゴールに迫ります。カウンターでの攻めが多いためか前向きでボールを持ち込むシーンが目立ち、鋭い攻撃を見せてくれました。対する北九州もゴールキーパー永井選手を中心に体を張って守り引き締まったゲームになりました。
後半になると長崎が少しずつ強度を上げ、北九州ゴールに迫るシーンが増えてきます。しかし前半同様に北九州は集中して守り抜きスコアレスで時間が過ぎていきました。
そんな中の76分、北九州は交代で入った新垣選手が鋭いスルーパスを福森選手へ通し、福森選手は低く早いクロスを入れ、それにディサロ選手が合わせてついに先制に成功。
87分には逃げ切りを図りディサロ選手に代えてディフェンスの河野選手を投入。
しかしその直後、ルアン選手のフリーキックからカイオ選手が押し込み長崎が同点に追いつきます。ディフェンスはついていましたが、一歩先に抜けたカイオ選手の技ありゴールでした。
前線を削ってしまった北九州はその後の勝ち越し点を狙うものの効果的な攻めができず。
逆に長崎は残り数分で逆転すべく攻めまくりましたが両者ゴールならず。
注目のゲームは1-1のドローとなりました。
ギラヴァンツ北九州
北九州のシステムはおなじみ4-4-2。10周年記念ユニフォームで登場です。
ここのところ勝利から離れていますが、大崩れはない、そんなチーム・メンバーだと思います。
少し自画自賛すると、実は今季の第4節で北九州のゲームの記事を書いていて、今季の大躍進を予感しておりました。
それはさておき、北九州が上位に進出していくにつれ、「誰が出ても北九州のサッカー」などのフレーズを聞くことが多くなってきまいた。
このゲームでも実況の方が「個の力の長崎に対し、北九州はチームで…」などのコメントが聞かれました。
しかし、北九州の選手は個の技術も非常に高く、その上でチームプレーが完成に近づいていると感じました。上位も納得です。
特に町野選手の技術は非常に高いものを感じました。
ゲーム展開でも書きましたが、13分のダブルタッチは素晴らしいプレーでした。
長崎の3バックの前、ボランチのカイオ選手の脇のスペースをうまく使い、そのエリアでボールを受けるなど、北九州の攻撃を牽引していました。
そして特に驚いたのが左サイドバックの福森健太選手。
ドリブル突破もでき、先制点のアシストのクロスも素晴らしかったです。そしてそのクロスを受けるためのオーバーラップも最高でした。
*そのラストパスを出した新垣選手も素晴らしかったです。
ゲームとしては最高の展開で先制しただけに、しっかり勝ち切りたかったところでしたね。
首位徳島が敗れていただけに3ポイントを取って差を詰めたかったところですが、長崎の出来もとても良かったので致し方なしというところでしょうか。
ただ、これで水戸に敗れてから7試合勝ち星なしとなりました。そろそろ勝ち点3を積んでいきたいところですね。
ちなみに、J3だった昨シーズンの自分の記事を見返したところ、割とメンバーが残っていたことに気づきました。それであれば確かに戦術浸透が進みますね。
V・ファーレン長崎
長崎は3-6-1のシステムとなりました。今季初めて長崎を90分見ましたが、普段は4-4-2でやっているようです。試合後インタビューで「北九州対策です」と手倉森監督が仰ってました。今後のオプションとして有効、とも仰ってましたし、そちらの方が大きいでしょうね。
ウイングバックもしっかりスペースを埋め、ブロックを組んだディフェンスは崩れる心配がほとんどありませんでした。
センターを務めた角田選手を中心に、固いディフェンスを構築していました。
フォワードに入った富樫敬真選手は献身的なプレスバックでボールを奪取、守備にも貢献しておりました。
しかし、目立ったのは守備だけではありませんでした。攻撃でも前線の3枚と両ウイングが効果的に攻め上がり決定機を演出。シャドーに入った名倉選手のドリブル突破などでゴールに迫りました。
後半になると特に攻撃に迫力を出し、北九州ゴールまでもう少し、というシーンを作り出しますが、逆に先に失点してしまいました。
しかも残り15分弱という時間帯もあまり良くありませんでした。
しかし、玉田選手やルアン選手を投入し、焦らず同点ゴールを狙いました。
そして玉田選手のサイドチェンジのパスから獲得したフリーキックからついに同点ゴールをゲット。カイオ選手が抜け出し押し込みました。
その後も逆転ゴールを目指し攻め込みますが同点まで。勝ち点1を獲得しました。
これはタラレバですが、北九州のフォワードの選手が1人減ったことによって、玉田選手がサイドチェンジのキックができたとすると、守り固めだった北九州の戦術が逆に有利に働いたのかもしれません。
ともあれ、先程も書きましたが、4バックに加えて3バックも非常に高いレベルで操れることが証明され、今後のリーグ戦の有効なオプションになりそうです。
次節の予定
ホーム北九州はアウェイで京都と対戦します。7試合勝利がない状態で強敵京都、北九州はここが正念場かもしれません。
アウェイ長崎は次節もアウェイで愛媛と対戦します。愛媛は下位に沈んでいますので、順位的に考えるとアウェイとはいえ勝ち点3を積みたいところです。
いずれも水曜日開催でやりくりが大変だと思いますが、残り15試合、最後まで熱いゲームを見たいですね!
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